戦略の立て方&アオリを乗せるテクを一挙公開!
実釣を通して、ヒットパターンとアドバイスも紹介!!


戦略は2パターン!回遊待ちと回遊を読むフィッシング

 秋のストラクチャー周りを攻めるのと違い、回遊を狙う春〜初夏。当然、いつアオリイカが回ってくるかはわからないが、釣れていると言う場所に出掛けてさえいれば、前ページで紹介した、カケアガリなどのコンタクトポイントに必ず入ってくると辻原。
 「戦略としては、入ってくるのを待つか、入りそうな場所に自分が移動、つまり回遊ルートを読んで自分で動く“ルートフィッシング”で探るかの2つの選択になります」。
 まず前者。
 潮が動く時間帯や、潮に変化が出た時に注意して、根気よく探るのが必勝法で、絶対に回ってくると信じていれば、やがて大型と出会えます。
 潮向きを考え、それに対して潮上にキャスト。扇型に潮下へと広く探りながら回遊を待ちます。あまりにもアタリがない場合は、潮をよく見て、動いて行く方向に岬や防波堤の先端などがあれば、そちらに移動。潮が流れる、または当たる場所はボトムに何らかの起伏があったり、ベイトが溜まってたりするのでチェックしてみる価値アリと言えるのだ。
 一方、後者。
 ルートフィッシングも、この考えがベースとなるが、ただ、その移動範囲が広くなるだけ。緩い潮なら、何処が動いているかを考え探す。なだらかなカケアガリしかその場所になかったら、もう少し深場のポイントへ移動して急なカケアガリを探してみる。深場がダメな場合は、すでに浅場に入っているかもと読み、ワンド(入り江状の場所)を探るなど、ひとつずつ回遊しそうな場所を潰して行くようにして、結果的に居る場所に向かうのだ。
 「もちろん、海には潮の干満がある。探り出した当初と1時間経った状況では海自体が変わる。怪しいカケアガリがあったら、時間をズラして再度チェックすることなども重要」だと、辻原はアツク説明してくれた。


第1投目のフォールは要注意!始めはボトムを意識してシャクル

 フォーリング中の餌木にアタックしてくることが多いアオリイカ。どれだけフォールを繰り返すかで、釣果が変わってくる。「1回1回、ボトムをキッチリ取るように探ると、出会いのチャンスが多くなりますよ。ビギナーはボトムまで落ちる前に、次のシャクリを開始。結果、釣れないって感じですからね。先ほども言いましたが、底を確実に取ると、その形状もわかり、結果的によりよいカケアガリポイントを発見したりも出来ますから」。で、注意して欲しいのが、ファーストキャスト後のフォーリングです。
 「ボクの経験上では、この最初のフォールで抱きついてくるアオリが多いので気を引き締めてもらいたい」と辻原。
 沖合いのカケアガリ沿いに回遊してくるこの時期を考えても、探るタナはボトム中心で、「ボトムから2m位をまずは重点的に探り、その後は中層まで跳ね上げるようにして、こちらもボトムまでしっかり餌木を落とし込みましょう」とのこと。
 より跳ね上げるシャクリ方は是非参考にして欲しい。


【大型は警戒心が強い】

 イカは好奇心が強く、餌木の跳ね上がるアクションやダートに良く反応する。が、いかんせん春〜初夏のアオリイカはデカイ。危険回避能力も相当高いので、シャクリアクションは、メリハリを付けつつ、優しくが重要となるのだ。音を立てて餌木を跳ね上げるようにシャクっても良いが、フォールはよりナチュラルにすることを頭に入れておこう!
 また、稀にリアクション(速い動きに反応。リールを巻きながらシャクル)で抱かすこともあるが、本質的にこの時期の大型は、追いに消極的。この点からも、ボトム周辺を丹念に探ることをオススメだ。


フォーリング時のアタリ取りが釣果を左右!3つのフォールを覚えて確実にGET!

 よく「シャクリとアワセが同時に行えるのがエギングだよ」と耳にする。確かに間違いじゃないが、シャクった瞬間、重みが乗るって言うケースは、すでにフォール中の餌木にイカが抱きついていることが多い、と辻原は言う。
 「この場合は釣れちゃった感が強く、またどのタナで掛かったかがわかりにくく、次への参考になりません。アタリは取るように努力。そしてタナをキッチリ把握して、さらなる釣果を目指すのが、春イカの数を伸ばすポイントとなります。そのためには、前術した高感度なタックルを用い、さらにアタリの取り方を知っていることが肝心となります。ずばり、フリー&カーブが基本となると覚えて下さいね」。
 アタリの出方は、その時のイカのコンディションによっても変わる。ただし辻原が言う3つのフォールを覚えれば、オニに金棒。さっそく教えてもらおう!


【フリーフォール】

 ファーストキャスト時のフォールが、この状態だ。餌木の重みだけで、ナチュラルに落としていく方法で、シャクリ上げた後、リールのベールを開け、ラインをフリーで出してやること。アタリはラインが海面を走り出すので糸フケを良く見ていて、走り出したらベールを戻してアワセること。
 ハイプレッシャー(イカがスレている)時にも有効だから必須のパターンと理解しよう。


【カーブフォール】

 リールのベールを締めたままシャクリ上げ、その後、糸フケを軽く取り(リール1回転〜2回転。若干フケを残すのがキモ)、そのままの状態で待つ。餌木は糸フケを引くようにやや前方にカーブするように落ちていくので、アタった場合はラインが鮮明に走り、アタリも明確に出る。また竿先に伝わることもある。
 なんとなくフォール中の餌木に違和感がある時に、これを用いると良い。


【テンションフォール】

 完璧にアタリを取りに行くときに用いるのがコレ。基本はカーブフォールと同じだが、糸フケをとり、餌木の沈む速度に合わせてロッドを倒していくのだ。張り気味のラインだけに、明確に竿先にアタリが出る。
 そのポイントにイカが居るのがわかった時に使うと結果がすぐ出る。


★アタリ取りの基本姿勢★

画像  フリーフォールとカーブフォールはロッドの角度を50°くらい立てて構えること。丁度、たるんだラインが目の前に垂れ下がり、海面伝いに沖に延びるようにすると、ラインの走りが良くわかり、またアワセもしっかり効かせることも出来るのだ。写真が基本の姿勢だよ。


アタリがあったら、しっかりフッキングで寄せる!大型のイカの触腕は切れない!

画像  勢い良くアワセると足が切れてしまうと思われがちだが、この時期の大型はめったに身切れしない。この釣行で2.5kgをヒットさせた辻原も、豪快にアワセを入れていたほどだ。
 餌木のカンナ(ハリ部)にはカエシが付いてないので、抱きついたら触腕に刺し抜くつもりでアワセを行って下さい。その後はアオッたロッドの位置のままでリトリーブを開始。大型イカはジェット噴射で離れようと抵抗しますが、そのまま引っ張りっこして構いません。「ボクのオススメロッドは、こらえてくれるし、耐えきれますからね」。
 仮に走られたとしてもオープンウォーター(根掛かりするような起伏がない海)の釣りだから、根掛かりの心配はナシ。「存分に引きを楽しんで下さい。しばらく引きあっているとイカは必ず浮いてきます。そうなったらこっちのもの。ラインのテンションを保ち、キッチリ寄せ、タモ入れです」と辻原。
 タモ入れは、エンぺラ側からが基本。触腕側だと、イカが驚いて再度暴れますので注意、とのことでした。


実釣では、あらゆるシャクリを織り交ぜを試す!
辻原オリジナルシャクリ『トリプルアクセル』で乗せて迎撃成功!!

画像  やっと釣れ出したとの情報を聞きつけて出掛けた衣奈の黒島。ここは大きな独立した島で、外海側はリアス式海岸のように突き出した岬が豊富にあり、シーズンインすれば毎年3kg近くのアオリが出現。和歌山県・中紀のメッカとも言える場所だ。
 辻原はまず、船長と相談。釣れたと言う岬の周辺に上磯。さっそく遠投して扇型に探り出しにカケアガリを発見。丹念にボトムから2mの範囲をねちっこく徐々に岸にくるよう調べる。
 今回は島が広いので、ルートフィッシングで探ると言うが、最初は粘るつもりでいるらしい。「どんな釣りもそうですが、朝イチはチャンスありですからね」と彼は微笑みながら答えた…。
 ボトム寄りにアオリが居ないと判断した彼は、跳ね上げる高さを変え中層を探り出す。「ラインスラッグを付けたまま何度もシャクルと、餌木は大きく跳ね上がって行くんですよ。で、跳ね上げたら糸フケをとり、さらにシャクルなどをしてタナを高くもして探ってるんです…。さっきからラインを巻きながらシャクリを素早く行うなどをして小刻みなダートで誘うこともしてるんです。まあ、場所移動しましょう」。
 結果が出たのは突き出した岬で釣れた、と船長に聞いて、その真向かいに入った時だった。最初のキャストでボトムをきっちり取り、続いて彼のオリジナルシャクリ“トリプルアクセル”を行う。カーブフォールでアタリを待っていると、スッーとラインが走リ出した。おもむろにアワセを入れるとロッドが奇麗な弧を描く。ロッドをそのまま立てて、教科書通りのやりとり。充分に引きをたのしんで取り込まれたのは、2.5kgのアオリイカだった。


【トリプルアクセルでのテーブルターンでスイッチを入れる】

 「釣れたと聞いてピンと来たんですよ。釣れたブレイクラインの延長線上にイカがいるとね。そこで掛ける(抱かせる)ことを重視して“トリプルアクセル”を使ったんです。ボクのこの技は、イラストの通りですが、基本的に3回のシャクリを一瞬で行い、かつ、それぞれのシャクリの間には、ラインスラッグを入れているんです」。
 ラインスラッグを入れると餌木は、大きく跳ね上がる。「エギングは餌木を“見せて、追わせて、スイッチを入れて、食わせる(抱かせる)”の4パターンが必要なんですが、このシャクリは、一瞬で、しかも高い幅でこの状況が作れます。特に3回目のシャクリでは大きくダートしてターン(テーブルターンと呼ぶ)する感じになり、スイッチが確実に入るんですよ。で、アタリを取りたいからカーブフォールを使用しました」。


画像
テクニック応用編



 「見た目では3回ロッドを素早くシャクったと思うでしょうが、実は6回上下にビシッビシッビシッと音が鳴るくらい動かしているんですよ」と快心の笑顔で1杯を見つめながら、彼は解説してくれた。
 この日は冷水塊が底に入り状況が悪かったそうだ。こんな状況でも、釣れた時間を見逃さず、場所移動で回遊を迎撃した彼には脱帽、さすが! と取材班は感心したほどだった。
 「春イカはこれからが最盛期です。みなさんも今回紹介したことを実行すれば、間違いなく大型と出会えます! 狙い目はストラクチャーじゃなく、カケアガリ。くれぐれも餌木を不用意に岸側へ寄せ過ぎないよう、リールの巻き取りを少なくして、ポイントでたくさんシャクリ&フォールを繰り返し探って下さいね!」と彼は締めた。


★ワンポイントアドバス★

画像 ●エギングの最大の敵は風●
 メインラインの細いPEは、風で巻き上がることがあり、その影響で餌木が沈んでいかないことがある。これを回避するには、まずは風に対して背中を向けて、追い風状態でキャストをすること。
 そして、写真のように、餌木が着水したらロッドの穂先を海面側に向け、ラインを引っ張ってあげること。
 こうすることで、ラインが海面に素早く着き、フケ上がりが解消されますからね。
●偏光サングラスを用いる●
 少しでもボトムの形状がわかり餌木の動きがわかるのがイカ釣りには重要。偏光サングラスは用意しましょう!!
●他のアングラー釣果も気にすること●
 他のアングラーの釣果は、イカが何処にいるかを知るバロメーターになる。今回のように、岬の先端なら、まだ沖目にいるとわかるし、逆にワンドの浅場なら、遠投しても無駄とわかるからね。
 渡船を利用した場合は、船長が見回りにくるので、ガンガン情報をとろう、そして防波堤なら周りを良くチェックしておこう。


今回の取材でお世話になった渡船

画像  衣奈のポイントを知り尽くした大船長と船長が、ボクらをサポート。
 渡船が2艘あり、順次見回りに来てくれるので、情報も取りやすく、釣果にも繋がるぞ。
出船は状況で変わるので電話またはホームページを参考に!
和歌山県日高郡由良町・衣奈海岸
電話0738-66-0017
 http://www.sakatatosen.com/



※ダイワ精工株式会社様、HYPER WAVE製作者様のご好意により
HYPER WAVEページを転載させていただいております。


2005年6月号